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RENOMACHI CO-LABO
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リノベーターズファイルリノベーターズファイル

従来のリソースやノウハウなどを活かしつつ、独創的なアイデアや仕事手法により、
新たな価値、サービス、ネットワークを生み出している人”リノベーター”を紹介するシリーズ。

File. 01
不動産活用やリノベーションの企画を行う
京都一ファンキーな不動産屋さん「川端組」。
代表 川端寛之さんの仕事術(後編)

インタビュー

File. 01
不動産活用やリノベーションの企画を行う 京都一ファンキーな不動産屋さん「川端組」。
代表 川端寛之さんの仕事術(後編)

シリーズ第1回目は、自身で物件紹介メディア『KAWABATA channel』を運営しながら、不動産仲介、リノベプロジェクト企画などを行う不動産屋の川端さん。よく話し、よく笑い、いろんな人やことや要素を巻き込んで、いつでも楽しいことが周りにいっぱい集まってくるような、独特な雰囲気の持ち主。その原動力はどこからやってくるのでしょうか。今のお仕事に至った経緯や、仕事への考え方など川端さんの魅力に迫ります。

リノベーター
川端寛之(Hiroyuki KAWABATA) / 株式会社川端組
 代表取締役組長
1977年生まれ。京都生まれの京都育ち。二児の父。大学卒業後、地元京都の不動産会社に就職し、不動産セレクトショップページ『セレクト京都』テナント専門サイト『テナントKYOTO』、社内個人プロジェクトサイト『京都トンガリエステート』を立ち上げる。2014年に独立し株式会社川端組。代表取締役組長となる。従来の不動産のイメージにとらわれない物件情報を発信するサイト『KAWABATA channel』の運営、賃貸や売買物件の仲介、不動産活用やリノベーションの企画を行う、京都一ファンキーな不動産屋さん。

ご自身で管理運営されているシェアオフィス「SOLUM」2階に川端さんの事務所があります


Index
【前編】(前回)

1. 「自分の足で会社にいる自分と同じ高さに立ちたい」― これまでの仕事の経歴
2. 「資産の価値を上げることが不動産屋の仕事」― 現在の仕事の考え方
 
【後編】(この記事)
3. 「南吹田の琥珀街(こはくがい)」― リノベーション具体事例
4.周りに求められることをやっていきたい」― これからの仕事

3. 「南吹田の琥珀街(こはくがい)」― リノベーション具体事例

大阪・南吹田駅から徒歩5分のまちで取り組んでいるプロジェクトが「琥珀街」。
ここに人を呼ぶ仕事が川端さんにやってきました。

♦琥珀街とは♦(公式サイトより引用) http://kohakugai.com/project/
 
コンセプトは、「過去のような 未来のような 時空を超えたまち」。
 
誰かが作った、仕上げられた空間ではなく、「地面から雑草のように生えてきた生命力溢れるアジアのまち」。ここはもちろん日本なのだけど、アジアのまちの活気溢れる雑踏に混沌とした情景、つくられた感動ではなくて、そこに在るべくして在るもの、そういったイメージでまちを育てていく。
 
現在ある風景や空気感を壊さず、歴史やそこにあるリアルを大切にしながら、より安心して暮らせるまちに育てる。
 
そのためには、すべてを新しくして、きれいに見せるのではなく、今はもう見ることが少なくなった昔ながらのマテリアルを生かしつつまちを整えていく。
 
夜は、琥珀色の照明でまち全体を照らし、安心感や落ち着き、あたたかさ、 懐かしさを補完する。

琥珀街WEB サイト http://kohakugai.com/

川端さん「悲しいかな、住宅プロジェクトっていろんなことの平均になってしまうんです
オーナーさんがいて、設計士さんがいて、僕がいて。男性が多かったり、バランス的に大丈夫かなと思うところがあって、Webサイトが作れて、アーティスト寄りな女性が欲しいということで、白子さんを呼びました。設計士さんがやらないようなことをやってくれる人。でも、いざ白子さんは一緒に仕事をしてみたら意外と常識人で(笑)僕の脳内通訳みたいな役割もやってくれました。
 
建物を新しくするだけでは意味がない、まちが変わったことを伝えないといけない・・・。
そこで、琥珀のプロジェクト「照明で街を変えるというプロジェクト」としました。
 
今は第1期の工事が終わって、フォトグラファーさんのスタジオ兼オフィス、ウェブの製作会社のオフィスなどもう何軒か入居が決まっているんです。もうすぐ次の5軒の募集が始まります。
難しいけど、面白い。住む人は、先住民がいるまちの暮らしにすっと溶け込んで行ける人がいいですね。「かっこいいから」「安いから」「自分さえ良ければいい」で入居するのは、違うかな。

トークイベントもやったんですが「どんな街にするんですか?」って聞かれるんです。でもそれ、すごく嫌で。だって、できる前からゴールが決まってるっておかしいじゃないですか。みんなで作っていく、さえ嘘。作るという行為の限界の先・・・、深いなあ(笑)
 
例えば、沖縄って全体的に開発が遅れているんですよ、都会に比べて、古い建物がいっぱい残っている。そう思っていたんですが、僕らが前だけを見て、走りすぎていて、気がついたら、遅れていると思っていた沖縄の方が未来になっていたんじゃないかとさえ思う。正しいのは沖縄みたいな感じじゃない?って。「遅れている」に楽しさがあったりする。遅れているんじゃなくて、残っている。そういうことをやりたいんですよ
実は個人的に沖縄をずっと追いかけていて今、地獄の再開発が始まっています・・・。ちゃんと再開発の波がきたんやっていうことに悲しくなっちゃいました。」

▷琥珀街のようす(見学会)
2019年に新しくできたJRおおさか東線 南吹田駅から徒歩5分の場所にあります。

夜は琥珀色の照明が街を照らします。

特徴的なのはアーティスト白子さんが考えたカラフルな瓦屋根。

一軒だけではなく、複数の家が少しずつ違うデザインでリノベーションされています。

画像ギャラリー(琥珀街詳細)

― オープンイベントはよく開催されているのですか?

リノベーションが完成した時によくやっていますね。
結局その物件に入ってほしい人や入りそうな人に来てもらわんと意味ないと思っているので、趣旨とずれないように考えています。例えば家具屋さんとコラボして僕らが部屋をつくって、家具屋さんに任せて自由に家具入れてもらったりしたこともあります。
 
▷見学会の様子

― それぞれの物件はどこまで既存のものを活かして、どこから手を加えるのか、どのように決めているのかすごく気になりました。

どこまでっていうのは決めてないんですよ。まったく決まってないですね。

― ではどういう風につくっていくんですか?

ターゲットの人が何を望むかっていうのと、建物が何を望むか、です
例えば、水着を着てる方がいい女性もいれば、服を着てる方がいい女性もいるじゃないですか。骨格がいい人もいるじゃないですか。やったらその人はレントゲンで撮影するべきやし(笑)
そういう「建物」によりますね。剥がしていいだけでいいんやったらそれでいいし、足してあげなあかんかったら足さなあかんし、それぞれの物件によるんじゃないですかね。
 
ポリシーはないですね。だから「川端節」は永遠にないんじゃないですか。いいのか悪いのかそういう「あ、これ川端っぽい」っていうのはないような気がしますね。じゃないとそこでやる意味がないですもん。

― これをやれば自分流!みたいな必殺技みたいなのが逆にない方がいいということでしょうか。

そうそう。自分流の作り方って結局押し付けじゃないですか。
「あの人っぽいわ」って、相手(建物)は関係ないってことですやん。
 
今回おもしろいと思ったのが、前回の2軒でやった経験を踏まえて、前回と同様の流れで今回5軒やったわけですが、多少素材を変えましたが、そこまで大きく変えてないんです。
 
でも、実際現場を見に行って、家そのものの違いでこんなに変わるんやってびっくりしました。
そんなに新しさはないかなと思っていたんですけど、見せつけられましたね、僕が(笑)全然心配ないわと思いました。
実は今回のやり方はすごく手間がかかっていて、どれが活かせて活かせへんかとか1回剥がしてから考えているんです。今回は横に家があったんで、しょうがなく防音のために壁を両面新しくしているところもあるんです。でも、だいたいできたっていう時に呼ばれましたもん。
「これは汚い?味?」って(笑)汚いor味チェックっていう段階がありましたね(笑)
 
これいいフレーズですよ。
ある楽曲について聞かれた有名なギタリストはこう言ったんですよ。
「自分はギタリストであるがギターを鳴らさないこともある」これなんですよ。
デザインもやりすぎちゃダメ、入る人のクリエイティビティが発揮される余白がなくなるから。「これで完成ですか?」って聞かれるくらいで渡す。壁も塗っていいし、床も貼っていい。

― ありのままの素材をそのまま(例えば、アルミはアルミのまま、木は木のまま、でもちょっと刷毛で模様がつけられていたり…)その辺りの技法やここはこれにするっていう決め手や素材の使い方の探し方などがあれば教えてください。

今回、素材に関しては設計士さんと一緒に考えました。既視感のあるものをやっても仕方ないんで「あ、どっかで見たな」「この感じでやろうよ」っていうのとかはまずないですね。
 
概念的な話ですけど、普段の心持ちの話ですね。ソースの問題、インプットの問題で、みんなが見ているものを見ているから同じになるわけです。
 
みんな大人になると、お金につながらないところから手放していくじゃないですか。無駄だと思えるものを手放していったらどんどんみんなと一緒になっていくんですよ。
 
インプットは、現実のものではなく、映画や音楽、ゲームの方が多いですね。それを現実にどう落とし込むか。だからアーティストと一緒にいろいろできたらほんとにおもしろいですよね。

― こうしたい、というイメージを現場や施工する人、設計する人にどのように伝えるのでしょうか?

どうやって伝わったかみんなに聞いてみてほしいな(笑)たぶん伝わってないと思いますよ。
僕はそれをいい意味であきらめているというか、それで逆にバランスがとれるんじゃないかと思っています。今回の琥珀街もその前提でメンバー集めているんです。僕が言ったことをそのまま形にするだけでは何にもおもしろくなくて、いろんな人がいることでより面白くなる。
 
実際に行ける場所があれば、行って空気感を見てもらう、空気感が見られるところに一緒に連れて行くかな。お店とか施設であれば1人で経営されている場所の方がその人の思いのそのまま形になってるから、より濃度が濃い場所になるんですよね。その対極で言ったら普通のマンションが対極で、みんなに嫌われないように、嫌われないようにしたら一緒になっちゃうっていう。 そこにはもちろん勝てへんかもしれへんけど、こういう空気をつくりたいですっていうのを見せます。だから誰に来てほしい?っていうのと一緒でオープンハウスを開催する時も入ってほしいなって思う人に来てもらったり、誘ったりするんですよ。そうするとこういう空気なんやって知ってもらえる。
例えば、入りたいと思っている人がそこに来て馴染むかっていうのも見てほしいし、それぞれいろんな仕事をしてはる人が集まってできる集合体みたいな人と人が重なる感じがおもしろいっていうので来てもらいたいなと思うわけです。

4. 「周りに求められることをやっていきたい」― これからの仕事

― 5年後、10年後どのような仕事に携わっていたいと思いますか

今までの話を全部回収するかのように言います。
 
僕がしたいことは、その時に周りの人に求められることですね。別になんでもいいですけど求められることがあるならそれをやりますね。
 
「川端さんにとって、不動産って何ですか?」って聞かれたときに、いろんな側面からいろんな答え方があるんでしょうけど、僕は〈社会との関わり〉って言いました。それに尽きるなと思って。
僕が今までやってきた経験や知識があるから社会と関われていて、独立する時も何しようかと思っていたんですよ。結局、不動産しかできひんわと思って不動産やっているだけなんです。
 
だから営業に行くのが求められるならそうしてるやろうし、もっと先を見せろって言われたらもっと先を見せてるかもしれへん。そこにあんまりこだわりはないですね。こだわりがあったら不動産屋はやってないんじゃないですかね。イメージがそんな良くないところですから(笑)
そもそも不動産に入ったのもその時に付き合っていた彼女が美容師で、転勤がないから転勤のない会社に行こうと思ってたまたま行ったのが不動産やったから。だから別にそもそもこだわりはないんです。一人暮らしもしたことなかったし(笑)
今となってはこだわりがないことがすごく良かったですけどね。こういう人が不動産業界にいてないから。
だから、今好きなことを仕事にするのがいいって言われてるじゃないですか。そんなんよーわからんですよね。好きなこともあるしそうじゃないこともあるし。

― 今の話に絡むんですけど、川端さんのお仕事はもはや「川端」みたいになってらっしゃると思いました。人脈づくりで何か特別なことされているんですか?

相手の仕事の内容は実はまったく興味がなくて、その人とやりたいかどうかが重要ですね。だから、とりあえず一緒に飲んで、そこでいい奴かどうかで判断します(笑)
「で、職能は何やったっけ?」「君は何ができるんやったっけ?」ってあとで聞きますね。誰か欲しいなってなった時に顔は浮かぶけど「あいつ何してんにゃったっけ?」ってなってから調べるのが多いです。例えば琥珀街で携わってもらっている白子さんも声かけるまでに僕1回しか会ってないんですよ。状況的には400人ぐらいのイベントで会ってなんか印象に残っていて、僕の中でアーティストで女の子でWEBができてっていうのにスポッと来て、そこで初めてしゃべったぐらい。
そんな感じで、一緒にやりたい人がいっぱいいるんですよ、次は誰とやろうかな〜くらい。

― 普段からイベントをしたり飲みに行ったりするのも重要なんですね。

意味のあるものしか行かないですけどね。
でも自分が出会いたいであろう人が集まっているところにはやっぱり行かんとね。3,000円の会費やったら30人は出会わないと。だからほんまにこいつとやりたいなって思った時に「こういうことやろうと思ってんねんけど、こういう感じいける?」って声かけていきます。
その人はまだ自分で自分が不動産に対して、何ができるかわかってないですやん。それを一緒に見に行く感じ。絶対それっておもしろくなるじゃないですか!?筆下ろしみたいなところやから(笑)変な話やけど。
 
▷琥珀街の見学会の後には交流会が開かれ。施工に携わる方や物件に興味がある方が自由に話せる場が作られていました。

― ゴールが決まっているよりも何があるかわからんからおもしろいというか、どうなるかわからないから楽しいっていうことですね。

今までにあったものをまたやるんやったら一緒やから、そうじゃない感性の人(例えばアーティストさんなど)がもっともっといっぱいいるはずで、その人たちの感性を不動産とか施設つくる時に活かしたいですね。
 
とはいえ、全く見えてないって怖いじゃないですか。それはもちろん見えるように話し合った上でイメージができてから提案しています。

・・・最後に、昨年出した自費出版本の「イマジン。」は名作ですよ。
写真が一切載ってない物件紹介本。エモいです。トンガリエステート時代の記事を中心に、物件の輪郭を文章だけで縁取っているわけです。その縁取りだけで物件を想像してみよう。
で、「イマジン」。
是非読んでみてください。公式サイト(https://kawabatach.base.shop/)からネットで買えます。(800円<税込>)

4. 研究結果まとめ

研究結果まとめ

 
【感想】
「不動産屋さん」というとなんだか怖くて、ちょっととっつきにくい・・・
ユーモア溢れる京都一ファンキーな不動産屋の川端さんはそんな勝手なイメージを一瞬でぶち壊してくれました。わあ、こんな不動産屋さんがいるのか・・・!
求めているものがなにか、ちゃんと聞いて受け入れてくれて、その上でいいものはいい、ダメなものはダメだとはっきり言ってくれる。
不動産に関することでなにか困ったことがあったら気軽に相談してみたくなる、そんな存在。
 
川端さんの物件紹介サイト『KAWABATA channel』を開くと、気になるリノベーション物件となんだか心に残る文章の記事がズラリ。癖になる共感を生む文体で、一記事、もう一記事・・・と気づけば大ファンになっている、不動産サイトとは思えないはじめての感覚。リノベーションに興味がある人はもっと好きに、興味がない人もきっと興味が湧いてくる、そんなWEBサイトです。
 
自分の考えややり方を押し通すというわけではなく、ただただ求められることに柔軟に応え、やるべきことをやる。「解像度がめっちゃ大事」というお話は一段と力が入っていました。
 
川端さんが担われている、普段関わることがないようなさまざまなジャンルの人をつないで、どんどん”新しいもの”をつくりあげるリノベーションのお仕事は、ファンキーかつ、柔軟で優しい川端さんの人柄に集まってきているのだと感じました。

川端さん、ありがとうございました!

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